こんにちは、ゆりです。
今日は市販のウイスキーを美味しく熟成する方法をお伝えします。
ウイスキーは山崎12年や18年のように樽で熟成させると味がまろやかになり香りの広がりが良くなると言われています。しかしその分価格は高額になりがちです。ここ最近ですと山崎の50年は抽選販売で100万円という価格で販売されました。
そしてつい先日山崎55年が300万円で抽選販売されました。そしてその後のオークションでなんと8000万円で落札されました。これはとても貴重なことで投資商材となってしまったものです。
なかなか飲むのは現実的ではない価格ですよね。でもそんな美味しいウイスキーを飲んでみたい。
ならば自宅で熟成させてみればよいのでは。そんな気持ちで始まったゆりの実験的企画です。
乞うご期待!!
まずはウイスキーを知る
ウイスキーを熟成させることを考えて、まずはじめに、市販のウイスキーを自宅でさらに熟成させることを考えました。
その過程で、市販品ではなく樽に漬け込む前の原料から作ってしまえばいいのではないか。と考え原料について調べてみました。
ウイスキーの原料はモルトつまり大麦です。大麦を発芽させてから得られる麦汁を発酵させます。そして得られたアルコールを2回位蒸留するとウイスキーの原料となります。
まず、モルトや麦汁と聞くと思い浮かぶのがビールです。ビールを蒸留すれば原料が手に入るのではと思いました。しかし、ビールにはホップなど他の原料が入っており、頑張ってもウイスキーにはならない。
そもそも日本国内で蒸留することが酒税法やアルコール事業法で違法となることがわかりました。
次に麦と言ったら麦焼酎です。
むぎ焼酎を樽で熟成させればウイスキーになるのではないか。調べてみるとむぎ焼酎を樽で熟成したものは市販されていまた。
なぜだろう。樽で熟成させたウイスキーになるのでは?と思っていました。
これも調べてみると
むぎ焼酎は原料の麦を酵母で発酵させてから醸すこととなっているようで、麦芽から得られる麦汁を使うウイスキーとは若干違うことになることがわかりました。
原料は同じなのにできるお酒は違うんだな。勉強になりました。
このむぎ焼酎を自宅で熟成させてもウイスキーにはならないので諦めます。
こうなると最初に戻って市販のウイスキーを自宅で熟成させるしか方法はなくなりました。
~追記~
実験の最中にまた調べてみると原料の原酒は少量ですけど販売されていました。
ウイスキー ニュースポットというものです。これを買って自宅で熟成させる方法があるみたいです。
今度はそれで試してみたいと思います。
ウイスキーエレメンツというもの
自宅でウイスキーを熟成させるには樽を買ってその中にウイスキーを入れて熟成とか考えていました。
自宅用のこんなかわいい樽も売っているみたいです。
もっと便利なものがあるんです。それはウイスキーエレメンツというもので瓶の中に樽と同じ材木の棒を入れるというものです。
ある商品は24時間で3年分の熟成ができる、とうたっている物もありました!驚きですよね。
そして私は思いました。
これは簡単だ笑
でもこれをすんなり使ってウイスキーを熟成させてもありきたりな結果になってしまう。
それであれば最高のウイスキーエレメンツを使いたい。と思い。
いつか、山崎や白州などの樽を作っている木を買って自作しよう。と目標を立てました。しかしそんな簡単に見つかるわけでもないのでこの企画はお蔵入りになっていました。
白州の樽の端材との出会い
ウイスキーを熟成させることなんかとっくに忘れた状態で先日、ふもとっぱらキャンプ場に行ってきました。
キャンプ場で薪をかって早くキャンプファイヤーしたいなぁ~と思って薪を購入していました。
ふもとっぱらでは自分で袋にどんどん詰めていく方式です。薪は2種類あるようでそれぞれ1つずつを購入しました。
ん?ホワイトオークの樽の端材を売っているのか。
他にこんな看板がありました。
あれ!!白州の樽材なんですか!!
まさかこんなところで樽材に出会えるとは!
私はとても感動してもう一袋を自宅でウイスキーエレメンツ用に購入しました。
まさか500円でこんなにたくさん端材をゲットできるとは思いませんでした。
端材の清掃とチャー(炙り作業)について
購入してきた端材はこちらです。家に帰ってこの端材の香りを嗅いでみるととても良い香りがしました。香りは端材によって強弱はあるものの、なんと甘い香りがするんです。本当に驚き!!
結構たくさんあります。使いきる自身がありません笑
この端材をそのままウイスキーつけるにはまだ早いです。
まずホコリや砂を落としていきます。
ブラシでゴシゴシするとわりとホコリが取れました。そして水に触れた瞬間から木の香りが広がってきました。これはすごい。きっといいウイスキーになってくれるのだろう。
そして洗ってから気づいたのですが、端材の一部は焦げていました。最初は焚き火の残りかと思ってしまいましたが、調べてみるとウイスキーの樽を作るときに内側を炙るそうなんです。それをチャーという工程だと言うことがわかりました。これによってウイスキーがまろやかになるそうです。
洗って乾燥したあとのキッチンペーパーに木の色が移っていました。これがウイスキーの色になるのかもしれませんね。楽しみです。
チャーという工程は樽の内側全体に施すもので今回作るウイスキーエレメンツもチャーすべきだと思いました。
早速、バーナーで炙っていきます。
どのくらい炙ればいいのかは端材を参考にしたいと思います。おそらくこれは正規にチャーされた後の端材ですので、表面の0.5~1mmくらい焦げたくらいが良いと推測しました。
まずはこの子から炙ります。基本的には危ないので屋外で行ってください。
今回、私はキッチンでバットにアルミホイルを3重に敷いてその上でしました。
表面は割とすんなり焦げ目はつくのですが、なかなかそれ以上はいきません。でもあんまりやりすぎてもいけないです。難しいですね。
何度か試行錯誤しているとちょうどよい目安を見つけました。
それはバーナーで炙って木の表面が赤くなったらちょうど良い。あくまでも私の感覚ですがこのくらいです。
このくらい炙るとバーナーの火を止めても燃えているので息を吹きかけて消してくださいね。
どうでしょうか。正規のチャーと比べても同じくらいではありませんか?これを端材の全面に施して行きます。
どうでしょうか。真っ黒です。チャーにはそこそこ自身がつきました。笑
無事完了しました。それではこれをウイスキーに漬け込んでいきます。
漬け込みと熟成 サントリー角
白州の樽材にウイスキーの白州を漬け込めばと考えましたが、なんせ白州は高級で貴重です。ましてやこんな実験に使うのは怒られてしまうと思ったので、同じサントリーの角瓶を原料にさせていただきます。
あとはこれを待つだけです。定期的にサンプル採取してこのブログに追加していきます。
現在漬け込みをして3日ですがすでに色が濃くなっています。
まずは1ヶ月後にまた写真とともに報告します。乞うご期待!!
熟成1週間後の報告
1ヶ月で報告しようかと思っていましたが、1週間の時点でかなり色がついていたので急遽報告します。
それでは御覧ください!
左が熟成当日、右が1週間後です。
色が濃くなっていることがわかりました。なんか良さそうですよね。
ウイスキーの量が減っていますが、飲んじゃったわけではありませんよ!笑
おそらく、チャーした木が吸収してしまったのだと思います。
両方ともウイスキーの特有の強いアルコールを感じますが、熟成1週間のほうが、樽の香りを感じます。その香りによって強いアルコール感が抑えられています。
鼻にくるツンとしたアルコール感がかなり少なくなっている感じです。
口に含むとやはり香りはかなり良くなっています。味は若干まろやかになって棘がなくなっている感じもしますが、比べたら分かる程度なので、よくなったといわれると、そんなに変化していません。そして喉に、かぁ~っとくるアルコール感は正直あまりかわりません。
樽の香りはすぐにつきましたが、まだまだ熟成は足りないようです。
市販のウイスキーエレメンツは24時間で3年分の熟成ができると、うたっています。これは色と香りがつくかもしれませんが、味は正直変化ないです。
香りだけでも全然美味しいですが、納得がいくまで熟成を見守りたいと思います。
色はいいんだけどね。もっと味に丸みが欲しいとこ。また1週間後!
熟成2週間後の報告
まず色については変わるかと言ったらさほど変化はありませんでした。むしろわからないくらいです。
小瓶に移したのでそちらを参考にしたほうがわかりやすいのでご覧ください。
最初は少しくらい変化があって目視で色がわかるかと思っていましたが、1週間後と2週間後ではほぼ同じ色だったので、急遽付箋を付けました。
あまり変化はないですよね。
次はテイスティングです。
まず、香りから。
香りは最初の1週間でついた香りに深みが増しました。木の甘い香りがします。それとはちみつのような香りなのかな?これがかなり良いんです。
そして「チャー」をしたいい意味での焦げの香り(スモーキー感)も遅れてやってきます。
初期と比べるともうぜんぜん違う香りです。熟成2週間後を嗅いでから、初期を嗅ぐと正直香りが少なくてアルコール臭しか感じ取れませんでした。すでにそのくらい変わっています。
大きく変わったのは味なんです。
舌の全体に刺さるようなアルコール感がなくなったのです。比べなくてもすぐに分かってしまうくらいのかわり方です。
角ばっていた角を一気にとった感じでまろやか。舌触りやさしく飲むことができます。
もうこの状態で完成としてもいいのですが更にもう1週間寝かせると香りや味がどのように変化するのか楽しみなのでまた1週間後に報告します。
熟成も行き過ぎると、木の雑味やエグミも出てしまうようなので、どのくらいが適切なのかもこの実験で見つけることができれば嬉しいです。
余談ですが、試飲はちょっとしかしていませんが、香りを嗅ぐことをずっとしていたのでそれだけでほろ酔いになってしまいました。恐るべしウイスキー笑
ではまた1週間後!
熟成3週間後の報告
まず色については変化なしです。
そして小瓶に移した様子は…若干、色が増した?感じなのでしょうか。でもほとんど気が付かないです。
それではテイスティングしていきます。
まずは香りから。やさしさが増した感じがします。【飲んだら美味しそうって思える香りです】
香りはそのくらいです。
飲んだときはまろやかさがより広がる感じがします。
3週間経ったら全体的に良かった点が増してくる感じで、そこにスパイシーさが出てきました。
スパイシーさが今後、どうなるのか変化が楽しみです。
熟成4週間後の報告
さてさて、この企画を始めてからあっという間に1ヶ月が経ってしまいました。
さてどうなっているでしょうか。
色は特に変化なしですね。
そして瓶にいれても変化は特になしですね。
それではテイスティングにいってみましょう。
まず香りにかんじるやさしさはちゃんとあります。そしてまろやかになった感じです。
強いアルコール度数のお酒に共通してある「グッ」と感じるお酒の匂いがかなり薄くなりました。ほとんど感じないくらいでしょうか。香りに甘みが増しました。
口にふくむと口の中で香りの風船がどんどん膨らんできて、香りが口いっぱいに広がります。この感じにはとても驚きでした。
口をひらいたら溢れてきちゃいそうな香りでいっぱいになります。そしてスパイシーさは先週よりも増してちょうどよくなった気がしました。
初期のテイスティングで感じたのは、爽やかで鋭く口の中に突き抜ける香りでさっと無くなる感じです。それに比べたらだいぶ様変わりしたと思います。
ここまで来ると最初とはぜんぜん違うものになっていて、私はとっても美味しくなったと感じます。しかし私はウイスキー初心者でこれがどのくらい美味しいのかっていうのは判断できないので、ウイスキーのプロに4週間経ったものを提供させていただくことになりました。
プロの目線からどのように感じるものになったのか、楽しみにしております。
プロからの返答
送った4週間経ったものを早速試していただきました。その返答はこのような結果になりました。
※~※
【この度は時間をかけて作ったウイスキーを提供していただき誠にありがとうございました。他の人より少し多くウイスキーを嗜んでいる私ですが、その経験から感想を述べさせていただきます】
まずは見た目です。正直驚きました。通常のサントリー角がかなりの高級なウイスキーに変化したように思えました。色はほぼ完成形に近いのではないでしょうか。
次に香りです。これもかなり良いです。スモーキーな香り。ただ贅沢をいうと香りの深みがあと一歩です。でもかなりいいものに仕上がっています。
次に味です。ロックでいただきます。高級ウイスキーと比べてしまうとちょっと薄く感じます。まだ味の余韻が少ないです。そしてサントリー角由来のアルコール感を強く感じます。この時点で私の知っている角からはかなり進化していますが、まだ角を感じてしまいます。
それは角の個性が強すぎてしまうので熟成させても残ってしまうのでしょう。角は普段使われるシーンとしてハイボールがあります。なのでハイボールとして頂いてみました。
これは大正解。とてもおいしいハイボールの出来上がりです。ハイボールとして提供された場合はどんな高級ウイスキーで作ったのだろうかと思うくらいですよ。
もし次に同じような実験をするのであれば味に個性の少ないカナディアンクラブというウイスキーを使ってみてはいかがでしょうか。きっと味がよくついてくれると思いますよ。
私の長い人生の中で色々なウイスキーを嗜んできましたが、こんなに次に飲むウイスキーを楽しみにしたことはなかなかありません。もし私でよろしければまた実験でできた試作品を試飲させてはいただけないでしょうか。楽しみにしておりますよ。
最後になりますが、ゆりさんならびにブログ【ゆりの便利グッズ】のますますのご活躍とご発展をお祈り申し上げます。
※~※
とても嬉しいお言葉と改善点を教えていただきました。そしたらカナディアンクラブで試してみます。また送りますのでぜひ試してください。私も色や香りはとても良かったと思いっていたので良かったです。あとは味ですね。がんばります。
漬け込みと熟成 カナディアンクラブ
さて、それでは早速、カナディアンクラブで実験していきたいと思います。
前回とは別の白州樽の端材を使用します。
程よい大きさのものがなかったので前回とは少し端材が小さいですが、これで実験していきたいと思います。サントリー角よりも金額が少し安いのでお財布にも優しかったです。
それではこれで見守っていきましょう。1週間ごと楽しみですね。また皆さんにお知らせできることを楽しみにしています。
熟成1週間後の報告
やはり1週間すると色はほぼ完璧ですね。
それではテイスティングといきましょう。
まず香りから。1週間経つとチャーから感じるスモーキー感をしっかりと感じます。その後に木の甘い香りを少し感じることができます。
そして味の方はややマイルドになっています。そして口当たりが優しいです。まだ十分ではありませんが、味の幅は増していますね。
でももう少し熟成させたいですよね。今回も4週間はしたいと思っています。熟成させていないカナディアンクラブは少し甘い感じがします。これがどのように変化していくか楽しみです。
また次週の続報をお待ち下さい。
熟成2週間後の報告
色は若干変化があったようにも思えますが、あまりかわりません。
そして香りの方は・・・・
チャーのスモーキー感が少し落ち着いたような感じがします。これは少なくなったというよりはしっかりと染み渡ったイメージです。そして木の香りも少なくなった感じがしました。そのかわりにカラメルのような香ばしい香りと甘い香りがするようになりました。
味の方は先週とはあまり変わらないのですが、余韻でもしっかりとスモーキー感を感じれるようになりました。
チャイサーを飲んだ後にも余韻が残るのでおいしいなって思います。とても飲みやすいです。
熟成1ヶ月後の報告
4週間の変化を見てみようと思ったのですが、やはりサントリー角のときではそんなに色味の変化がなかったので、今回はすこし長期間熟成させてみようと思いました。
そして1か月が経ちました・・・色味が目視で分かるくらいに変化がついてきました。
落ち着いた木の甘い香りで決して度数の強いお酒と感じさせないです。
ピリピリ感もなめらかで、口当たりが優しい。
優しくひろがるスモーキー感もいいですね。飲み込んだ後の余韻もよく染みわたる感じがします。
熟成3ヶ月後の報告
残念なことにコップに入れた写真がなくなってしまいました・・・
色味もやや増したのではないでしょうか。もうこの色味でしたら十分に年代物と戦えるのでは?
スモーキー感はより増した感じがしました。そしてピリピリ感はほんとにごくわずか。ボディーに厚みが増してきました。これをオンザロックで飲んでいたらおしゃれですね
熟成10ヶ月後の報告
いかがでしょうか。
色味なんかもうすごいことになっていますよね。
0W(0週)の物はこの色味でもちゃんと商品として売っているもので、けっして薄いとかはありません。それと比べるとやはり10mo(10ヶ月)という熟成期間はウイスキーにとても多くの変化をもたらしてくれたことがわかります。
このウイスキーは舌触りのピリピリ感はほぼ感じられなくなったと言ってもいいのではないでしょうか。そして、ピリピリ感がなくなたことにより、なめらかでねっとりとやさしく舌に広がる感じがします。
香りについて、木の甘い香りも主張しすぎることがなく、程よいスモーキー感。森の中のコテージで焚き火を眺めている様子をイメージすることができます。
一番の変化はボディーがとてもしっかりとしたこと。これは度数の高いアルコールを飲んだときに来るグッとする感じではなく、味や風味としてもボディー感がましたということです。これはすごい。
総括
みなさん、いかがだったでしょうか。約1年かかった私のウイスキー熟成記録でしたが、楽しんでいただけたでしょうか。
今回わかったことは、自宅でウイスキーは熟成できる。また銘柄によって味も変わってきます。これはウイスキー好きの方には新しい一歩となるのではないでしょうか。そしてなんと言っても自分で作ったという楽しみがあるのでより美味しく感じられるのではないでしょうか。
今回、私は白州の端材を用い、自分でチャー(炙り)をしました。そして別の保存瓶を用意して熟成させました。
しかし、それも少し手間となってしまうので、すこし試してみたいなと思われる方は、やはり市販品を購入されるのが一番楽だと思います。
これは買ってきたウイスキーの瓶にそのまま入れて熟成をさせるだけですので、余計な瓶を買う必要がありません。
私は、樽の端材がウイスキーの瓶の口に入らないので、別の保存瓶で行っていました。
熟成させる際のおすすめとしてできる限り冷暗所で行ってください。
最後に・・・
ウイスキーの楽しみ方はストレート、ロック、ハイボール….などありますが、ほかに熟成も自分でアレンジできるので新たな楽しみ方として挑戦してみてください。
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